絵を描く理由①-今まで絵でハンドメイドをしなかった理由


小さなころから絵を描くのが好きでした。

小学校のころから、手芸や図工が大好きでした。

そんな私が、イラストを使ったモノづくりを始めたのは、実はほんの数か月前です。

なぜこれほどまでに時間がかかったのか、イラストとハンドメイドを結びつけるまでの私なりの葛藤について、今回は話したいと思います。



まずは思い出話を聞いてください

絵と私

物心ついたころには、イラスト風のお絵かきをするのが好きでした。

年長さんのころ、友達にセーラームーンの絵をかいてあげて、いつも喜んでくれていたことを今でも覚えています。

自画像を描く授業で、漫画のような小さな鼻を描いて先生に叱られたことも。

叱る先生の横で、「この方がかわいい」と全力で肯定してくれていた友人のことも。


学生時代は好きな漫画やアニメの絵を描いたり、自分で考えた衣装や装飾品のファッション画を描いたりしていました。

友達と交換する手紙の面積の半分は当時好きだったキャラクターの立ち絵などでした。


幼いころから今まで、続けてきたことは絵を描くということ。

受験や課題、仕事で一時途絶えても、完全に過去の存在になったことは一度もありません。



ハンドメイドと私

小学校の頃は手芸部に所属していたこともありました。

夏休みの宿題に自由工作で刺し子を選んだこともありました。

冬はだいたい棒編みでマフラーか何かを作って遊んでいました。


手芸に限らず「作る・創造する」ということが好きなので、パソコン部で動画を作ることに熱中することもありました。

当時、クラスでは新聞委員を務めており、その新聞の隅に連載していた4コマ漫画のキャラクター(4匹のペンギンの姉妹)をコマ送りで動かしたものだったと記憶しています。


図工の教科書はなぜ楽しそうなものを飛ばして毎年版画をするのかと苛立っていました。

牛乳パックの工作本を何度も読んだ覚えがあります。

りぼんの付録は巻末の作り方を見ずに組み立てるのが好きでした。


こんな小学生時代、そして中高と、絵と工作を楽しみながら育ちました。

ですが絵を描くこととハンドメイドとが交わることはありませんでした。

絵も好き。手芸も好き。

なのに今まで絵を使った創作をしなかったことには、ある理由があります。



今までイラストで創作しなかった理由

自分に自身がもてない…自分よりうまい人はいっぱいいる

絵が好きになった根っこの部分は、幼いころに褒めてくれた友達の存在が大きいと思っています。

誰かに認めてもらい必要とされることは、小さな子どもが絵を好きになる理由には十分でした。

ですが、思春期もすぎると褒められるばかりでは不信感を覚えることもあります。


私には3つ上の姉がいます。

姉は決して絵のヘタな方ではありませんでしたが、母はよく私ばかりを褒めました。

私の描くものは、たとえ紙切れの落書きでも勝手に捨てるということはありませんでした。


あるとき別の誰かが描いた紙切れを、「あなたが描いたのかと思って捨てずにおいた」と母に言われて思いました。


母は、兄弟の中で私が一番絵がうまいことになっているから、私の絵を褒めているのだと。

私が描いた絵そのものを見て評価している訳ではないのだと。

絵を描くことを嫌いになることはありませんでしたが、私の中で私の絵が特別なものでなくなったのはそれからかもしれません。


大学生ぐらいになると、自分より年下で絵の上手い子がゴロゴロいるようになります。ネットで話題になると嫌でも目にする天才現役高校生。

世の中には自分より上手な人なんていっぱいいる。そんな思考が育ちます。



個性が薄い…このぐらい誰でも描ける

私は普段絵を描くとき、対象が目の前に無いときは資料を横に描きます。

もちろん写し取ったりはせず、様々な角度から見た資料をなるべく沢山集めて自分なりに描きます。


でも、こんなものは資料があればだれでも描けるんじゃないか?自分がゼロから創造したものではなく、極端なデフォルメや装飾をするでもなく。

写実を少し淡泊にしたような、線の数を減らしたような個性の薄い絵。

絵から表現したい想いや世界観が見えません。


個性が薄いのがあなたの個性。

そう友人に言われたことがあります。何も嬉しくありません。

自分が描くものには価値が無いんじゃないかという考えがよぎります。



意味を感じない…既存のイラスト系雑貨に愛着を感じない

「イラスト雑貨」と呼ばれるジャンルの作品たちを見ても、それを身に着けたり使ったり贈ったりする自分を想像できません。

イラスト雑貨とひとくくりに行っても絵柄作風は様々。かわいいと思えるものも勿論あるですが、それを手にする自分が想像できない。


それは、自分にある程度の画力があるからなのかもしれません。

実際にする・しないは別の話として、「これ作れそう」「こんなの私でもできる」と言いながら雑貨店を見る方をしばしば見かけます。

それと似た感じです。


そしてそんな素敵な作品に出合った時は、自分以外の誰かがやっているのだから自分がやる必要はないという思考がよぎります。



ではなぜ、今になってイラストでハンドメイドなんて始めてしまったのか?

ここまでイラスト雑貨を作る意味も気力もない人間が、いったい何を原動力に制作しているのか?明日はそのことについて語ります。



画像は内容とは何の関係もないギョウジャニンニク(2017)顔彩

山際の田舎に住んで初めておすそ分けいただいて食べた、細長いタケノコ。買うと高い。

ブログを読んで下さっている方でお気付きの方はいないかもしれませんが、だいたいが(2017)です。

スズメノタヨリ Official Website

制作者が触れた生活の中にある自然や身のまわりにある草花を描いています。 草花や鳥たちで感じる季節感を愛おしく思いながら創作活動をしています。 ふとした瞬間に身近にあるものが魅力的に見える瞬間を大切にしています。

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