園芸を始めた時の事
草花の絵を好んで良く描きます。
そんな私が花に全く興味の無かったときのこと、園芸を始めたきっかけをお話します。
実家は元花屋。でも特に花は好きではなかった。
・花屋は全く「将来の夢」ではなかった
女の子の将来の夢の上位に食い込む花屋。
わたしはその花屋の家に生まれ、高校受験をする頃まではその家で育ちました。
実際は力仕事と水仕事ばかりできらびやかな部分の方が少なく、夢に見ることもありません。
当たり前のようにある花は、特別好きではありませんでした。
母の日の贈り物に困るな。
将来やりたいことができたら後を継げと言われたら嫌だな。
そんな想いの方が強かったです。(因みに現在は引っ越しを機に廃業しています。)
・すぐに廃れる花にお金をかける気持ちが分からなかった
毎日目にする花。
すぐに廃れてダメになってしまう花に、何千円というお金をかけることが不思議でした。
花屋では満開を迎えた花を商材として扱うことができないので、廃棄となった花で小さなブーケを作って遊んでいました。
花が嫌いではありませんでしたが、花を贈るという感覚があまり理解できませんでした。
園芸分野にも特別興味は無かった
・同居人が育てたいと言い出して世話をすることに
植物を育てるという事にも、特別興味はありませんでした。
進んでやりたがりはしませんでしたが、同居人が育てたいというので、一緒に育てる分には嫌ではありませんでした。
マンションだと庭は無いので鉢植えです。土に生えて生きている植物は、切り花よりは価値があると思えました。
・節約は好きだから買うと高いバジルを
友人はバジルを選びました。
観賞用の花は、やはり私が育てる意味を感じにくいと思ったのでしょうか。
スーパーなどで購入するとまだまだ高いハーブ類。
節約することが習慣になっていたので、バジルは良い選択だったと思います。
食卓に欠かせない存在ではないけど、あると一気にお店の味のようになるので私は好きです。
切り詰めて節約するより、より豊かで満足度の高い節約を目指していたからです。
バジルの風味は好きですが、バジルの味が特別好きというより、有益な植物が好きなのかもしれません。
育て方はインターネットで調べた
・栽培キットには間引くとありもったいないと感じた
バジルは雑貨店で売っているようなかわいらしい栽培キットで、種から育てることにしました。
こういうキットは失敗しないように多めに種子が入っていますが、バジルはもともと発芽率が良い植物。
勿体なかったので、出た芽すべてを育てると言い出しました。
友人ではありません。私がです。
・発芽したすべてを育てようとして、逆に困ったことに
キットは勿論1本のバジルを育てる規模で用意されています。
20本は裕に発芽していました。
無理やり詰めて15×40ほどのプランターが4つになりました。
ハーブの土はネットで2袋。
鉢底石も一袋。
ハーブ用の肥料1袋。
インターネットで育て方を調べ、あちこち見ましたがおとなしくおススメとあるものを買いました。
キットになるくらいですから育て方は初心者向けと言われるほど簡単でしたが…
初心者向け、病気知らずの強いハーブが病気に
・ひょろひょろでも一応育っている
我が家はマンションで、ベランダはありません。
代わりに洗濯ものなどを干すためのサンルームと呼ばれるスペースがあり、そこで育てました。
窓は膝の高さから頭上を超えるくらいのサイズがありましたが、一日を通してものすごく日当たりが良いという環境ではありませんでした。
それでも間延びしながら枯れることなく育っており、摘むと脇から新しい芽が出てきました。
調べると、「積めば積むほど枝分かれで増える」とありましたが、日当たりの関係かそれほどの勢いはありませんでした。
・夏の蒸し暑い室内で軟腐病になった
旅行で家を空けたときのことでした。
水やりができないことを気にして、留守中の水分補給方法を調べ、浸透圧で水やりができる環境にしてから外出しました。
家に戻ると、バジルの葉が枯れるわけでもなく茶色に変色しています。
水やりは問題なく行えていたようですが、すべての鉢が同じ状態でした。
病気にならないと聞いていたのに?と想い急いで調べると、群れによる軟腐病という病気でした。
・どこを調べても助ける手立てはないと書かれた
マンションは気密性が高く、更にサンルームということもあり室温も湿度も上昇したのでしょう。
軟腐病については治す手立てがなく、諦めて捨てましょうという情報ばかりが出てきました。
バジルは育て始めてから少しずつ惜しむように食べるくらいで、これからというときにこんな事態になってしまいました。
何が何でも救出したいという気持ちから、ネットの情報を鵜呑みにすることができませんでした。
・今まで調べてきた育て方に則り、思いつく処置をした結果
変色した葉や茎を取り除き、なるべくコンパクトに負担を少なく。
バジルは茎から容易に発根するので、根元の方が茶色くなった苗は思い切って無事な部分を切り取り、水に挿しました。
土も蒸れ、根にもダメージがあったのではと考え、根腐れのときの対処をしました。
土を一度洗い流し、腐った根を整理すること。
清潔な土に移し替え、土が乾いたらたっぷりの水を与える。
弱った植物や植え替えて間もない植物は、直射日光が辛いという情報を知っていたので、少し影へやり、風通しを考えてサンルームを締め切らないようにしました。
こうして、軟腐病を患った我が家のバジルたちはその半数が命を取り留めました。
一度病気になった苗ですから、そこから沢山の収穫は見込めませんでしたが、損得では考えられない経験を得ました。
この事件以降、植物を育てることへのこだわりや情熱が、徐々に大きくなっていったと今では感じています。
どこの園芸のプロも「諦めましょう」と書いた病気から自分の処置で回復することができたことは、園芸に対する興味を更に駆り立てました。
種を採集し、翌年は初代の子孫を育てることになります。
土を触り始めてから5年
・今でも初めて育てる植物はネットで調べる
同じものばかりを育てるのもつまらないので、いろいろな植物を育てています。
ホームセンターの園芸売り場で、これはどんな植物か、花期はどれくらいで、どんな土が好きか。
こっちの花と寄せることはできるか。
そんな風にパズルをするような感覚で種や苗を買っています。
・暗記的ではなく特徴を知った上で育てると応用が利く
初めて育てるものは今でもネットで調べますが、サイトによって情報が矛盾することも珍しくありません。
今では育て方そのものよりも、その植物がどういう種類に属しているのか、元はどこの国の植物なのかを調べるようになりました。
バジルとシソが仲間であるように、シソ科の植物はだいたいこういう特徴でこんな花。
そういう風に考えられるようになってきました。
すると、植物の科ごとにみえる特徴や生息地による特徴が見えてきてとても楽しいです。
・夢はエディブルガーデン
有益な植物、ハーブや薬草類、果樹。今も5年前も興味がものすごく傾いている方向は変わりません。
昔から人々の生活に寄り添ってきたであろう植物たちと先人の知恵を知ることもまた別の楽しみです。
いつか庭のある家に住んだら、その庭にある植物はすべて口にできるような、そんな庭づくりをしたいと思っています。
写真は内容とは何の関係もないことはないハコベ(2017)顔彩
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