怒りと期待について
突然ですが、私は怒りっぽい方です。
この記事を書く前も、ついカッとなってしまったことがあったので、自分なりに怒りのメカニズムについて考えてみようと思います。
少しは冷静になれるかもしれないという期待を込めて。
怒りの原因
私の場合、いさかいの途中でそのきっかけを忘れてしまうほど、些細なことで怒ることもあります。
頭に血が上っているときは、自分が何に対して腹を立てているのか分からなくなっていても、相手の態度や物言いからストレスが増幅し、更に怒りの感情が増していくということはよくあります。
きっかけとなったことは些細な事であっても、こうなってしまうと怒りの元が解決したところで怒りは収まりません。
なにせ、本人が忘れてしまっているのですから。
怒り―それは相手に期待すること
いさかいの発端となる怒り。いさかいの途中で増幅した怒り。
どちらにも共通して言えるのは、「相手が自分に期待通りの言葉や行動をくれなかった」という共通点があることに気が付きました。
いま自分が腹を立てていることが、数分前の言い争いが始まったそのときに腹を立てた事柄と一致するとは限りません。
ですが、相手は何に腹を立てたのか分からない以上、「何で怒っているのか」と、問題を解決しようとします。
自分がいま問題としている部分に焦点を当てて貰えず、また新たな怒りへと繋がります。
理解してもらえると「思っていた」。
共感してもらえると「思っていた」。
真剣に取り組んでもらえると「思っていた」。
謝罪してもらえると「思っていた」。
手伝ってもらえると「思っていた」…
色んな思い込みがあって相手にその行動や言葉を期待してしまう反面、その通りに行かないとき抱く、「なぜ」と思う強い感情―それが怒りなのだと思います。
自分の思う範疇の相手の姿を前提にした会話の中で、思いもよらない相手の態度(多くは無関心や反論、不出来)に腹を立てるのだと思います。
当然、話す相手が皆自分と同じである筈はない。
相手との間に感覚の違いがあっても「世の中色んな人がいるな」、と済ませられることも勿論あります。
自分から遠い人間であればあるほど、それは当然のことだと受け入れられます。
ですが、あまりに身近な存在で、互いに深く理解し合っていると思う相手にとっては、これが通用しないことがあります。
災害級―相手はいきなり怒ったように感じる
普通に会話していたのにどうしていきなり怒り出すのか、何が気に入らなかったのか。
そんな風に言われることはありませんか?
私の場合、腹を立てたときの半分くらい(多分)がこれです。
会話の中で自分が重要視している事柄が、相手にとってはそうではない時にこうなることが多いように思います。
例えば、自分が悩みを相談しているつもりでも、相手にとっては世間話程度にしか捉えていなかった場合などでしょうか。
相手は相槌を打って軽く会話を楽しんでいたと思っていても、相談している(気分の)こちらとしては、軽く扱われた気分です。
真剣に話を聞いてほしい立場からすれば、いきなり怒ったという事はなく、相手の態度に少しずつストレスを貯めていっています。
そしてそれが決壊するきっかけを与えたとき、いよいよ大きな怒りの波がやってきます。
怒りの波―核を逆撫でされたとき
例えば先程からの例で、自分が問題をなんとかしたいと相談し続けていたことに対し、相手が解決そのものを放棄するような言葉をかけたとき。
極端な具体例だと、
・来客に手料理を振る舞いたいが、どんなメニューにしようかと相談しているのに、「大変なら出前を取ろうか」と言われた場合。
・体重を落とそうとダイエットについて相談しているときに、「そのままでいいんじゃない」と言われたとき。
そんなことで怒る?というような例を挙げてみました。
一見、軽い問題のように思うかもしれませんが、本人がその問題に真剣であればある程、解決のため努力したいと思えば思う程、相手の発言が心無いものに感じられると私は思います。
悩んでいる本人の立場から考えれば、本人が真剣に取り組もうと思っていることを、前面的に否定されているのと変わりません。
相手のかけた言葉は優しさでもなんでもなく、ただの無関心とさえ思います。
期待=怒りの火種―相手への期待は捨てるべき?
期待することで生じる現実との差がストレスとなり怒りへと繋がるのであれば、相手への期待は捨てるべきでしょうか。
相手に期待しないということは、とても賢くスマートな生き方のように思えます。
余計な摩擦もなく、他人をありのままに受け入れられればどれだけ苦しまずに生きられるでしょう。
ですが私には難しい生き方です。
それは私が、衝突することこそお互いを深く理解し合うためにとるコミュニケーションだと思うからです。
過度な期待はしない―どうしてほしいか素直に伝える
相手側はその問題の深刻さが分かっていません。
かといって相手が一方的に悪いという事ではありません。
会話の流れや場の雰囲気からそれだけの深刻さを感じ取れなかったとか、そもそもその問題をクリアしなければならない理由を深くしらないとか、深刻さが伝わっていない理由はあるはずです。
これは相談する本人側にも落ち度があります。
しっかり聞いてほしいときにはそれ相応の態度をとらないと伝わりません。
どれだけ身近な存在でも、理解を得られる前提で説明を省いた会話ですべては伝わりません。
自分が今どんな問題を抱えていて、どうしてそれを解決したいのかを話さなければ、いかに近しい間柄であっても共感を得ることは難しいでしょう。
相手に期待するのであれば、それ相応の準備は怠らないことです。
今、この文章を執筆しながら数分前の言葉足らずな自分に猛烈に反省しています。
画像は内容とは何の関係もないクローバー(2017)顔彩。
私は四つ葉のクローバーは自分で探したいので、敢えて絵に描きません。
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