私が季節ものを敢えて作る理由


イラストデザインワークス スズメノタヨリのコニシサキです。

過去に、山菜や春の草花のアイテムを展開していたときのこと。

お客様から、「もっと通年で使えるアイテムを作ってほしい」とのご要望がありました。

今日は私が敢えて季節ものを作る理由をお話します。



季節ものは使いにくい?

お店でお買い物をするとき、せっかく気に入って購入するのだから、長い間楽しめる商品が嬉しいですよね。

2つの商品のうち、どちらも同じだけ魅力的に感じていたら、通年で使えそうな方を選ぶという方も多いのではないでしょうか。


特に、一年のうちにそう何度も使わないものであればある程、沢山楽しみたい=通年ものという選択をする方は多いように思います。

ですが、折角気に入ってお手に取ってもらったアイテム、季節ものだから…と見送るのは少し待ってください。



四季を愛する国、日本

季節には季節の装いというものがあります。

今のシーズンだと、夏の暑さが落ち着いてきて、急に落ち着いた色合いやあったかい素材感に惹かれることはありませんか?


日本は四季の移ろいが豊かで、昔から視覚的にも四季の移ろいを楽しんできました。

寒さが厳しくなるにつれ、ファーやボアが恋しくなるのは、何も防寒の為だけに限ったことではないのです。

ヒートテックでも寒さは防げるけれど、やはり1着はふわふわやモコモコが欲しくなります。


まだまだ寒さが残る中、3月になったらそろそろ春らしい服装に変えたくなるなど、外気の影響とは裏腹に季節を纏いたくなる人種、それが日本人だと私は思っています。



そのシーズン通して使い倒す気持ちで

季節ものは、その季節にしか使えない…

ですが逆に考えれば、それはその季節にふさわしい、もってこいのアイテムという事。


日中はまだ少し強い日差しの残る9月。

朝晩は少し冷える季節になりましたが、それでもまだ日中に外を歩いていると、じんわりと汗がにじむことも珍しくありません。

だからといって、いつまでも夏らしい恰好もしていられない。

そんな時に秋らしいアイテム―例えばピアスやブローチ、ネックレスなどを一つプラスするだけで、薄着でいながら秋の訪れを楽しむことができます。


冬になったら使えないのではなく、この秋は目一杯使い倒すつもりで、その季節らしさを楽しんでもらえたらと思います。


身近な人の服装や持ち物から季節を感じられると、思わず笑みか零れます。

ああ、もう秋だな。この人も秋を感じているんだなと。



来年の今頃、季節とともに思い出して

四季は1年でまた巡ってきます。

お気に入りの季節ものは、シーズンが去ったら来年の今頃まで仕舞っておきます。

そうしてまた秋の訪れを感じた頃、そっと取り出して存分に楽しみます。


これは私の場合ですが、案外、「このシーズンにはこれを身に着ける(使う)」とはっきりしている季節ものは、なんとなく無難に選んだ通年ものより沢山使います。

普段は機会が無ければジュエリーを身に着けないけれど、季節ものに手を出すとちょっとした外出時にまで使ってしまいたくなるとの声もいただきました。


そのシーズンのうちに存分に使い、季節が去るとともに仕舞う。それは衣替えと似ています。

お気に入りを取り出すときのことを思って、季節の訪れを待ちわびることも。


季節ものを使っていると、自分自身が季節を楽しみながら暮らせることは勿論、目に留めた周囲の方に褒めて頂くことも多いです。

それはきっと視覚からの季節のお裾分け。

季節の到来を喜び合う私たちならではの感覚ではないかと感じています。



画像は内容と少し関係のあるフキノトウ(2017)顔彩。

長い冬が明けるころ、雪の間から顔をのぞかせる春の象徴。

田舎に暮らして一層、四季を肌で感じるようになり、季節ものへの考え方を変えてくれた存在。

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制作者が触れた生活の中にある自然や身のまわりにある草花を描いています。 草花や鳥たちで感じる季節感を愛おしく思いながら創作活動をしています。 ふとした瞬間に身近にあるものが魅力的に見える瞬間を大切にしています。

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